「うちは財産が多くないから、相続トラブルとは無縁だよ」 日々のご相談の中で、このようなお声をよく耳にします。しかし、実際に家庭裁判所に持ち込まれる遺産分割事件の多くは、遺産総額が5,000万円以下(※ごく一般的なご家庭)で発生しているというデータがあります。
これまで100件以上の相続や事業承継の現場に立ち会い、円満な解決へ向けたサポートを行ってきた経験から見えてきた、「争族(そうぞく)」に発展しやすい典型的なパターンを3つご紹介します。
分けにくい財産(不動産や自社株)がメインのケース
現金や預金であれば1円単位で平等に分けることができますが、実家などの不動産や事業用資産は、物理的に分割することが困難です。 「長男が実家を継ぐなら、その分他の兄弟に現金を払ってほしい(代償分割)」となっても、手元の資金が不足していればトラブルに直結します。
また、経営者の方に多いのが「自社株」の扱いです。後継者に株式を集中させたい一方で、他の相続人の遺留分(最低限の取り分)を侵害してしまい、親族間や経営陣の間で深刻な争いが生じるケースは後を絶ちません。
生前のコミュニケーション不足と「思い込み」
「長男だから家を継いで多くもらえるはず」「親の介護をずっと手伝ったのだから、私の取り分が多くて当然」といった、相続人同士の認識のズレが争いの火種になります。
親族だからこそ「言わなくてもわかってくれるだろう」という思い込みが、いざ相続が発生したときに大きな不満となって爆発してしまうのです。ここに明確な「遺言書」が存在しない場合、トラブルのリスクは一気に跳ね上がります。
一部の相続人による「財産の抱え込み」と不透明な管理
親の生前、特定の子供が財産管理を任されていた場合、「本当はもっと預金があったのではないか?」「勝手に使い込んでいたのではないか?」と、他の兄弟から疑念を持たれるパターンです。
お金の流れが不透明なまま相続が発生すると、感情的なしこりが生まれ、話し合い(遺産分割協議)が平行線をたどってしまいます。
「争族」を防ぎ、円満な相続を実現するために
トラブルを防ぐための最大の防御策は、「事前の準備」と「客観的な視点」です。税金対策だけでなく、法律面、そして何よりご家族の「感情面」に配慮した設計が不可欠になります。
当事務所では、中小企業診断士および1級ファイナンシャルプランニング技能士の視点から、事業とご家族の両方を守る仕組みづくりをご提案しています。必要に応じて、信頼できる弁護士、税理士、司法書士といった各分野の専門家とチームを組み、ワンストップで「円満解決」に向けたサポート体制を整えております。
「何から手をつければいいかわからない」「事業承継も含めて全体像を整理したい」という方は、トラブルが表面化する前に、ぜひ一度お早めにご相談ください。

