「親の認知症対策として家族信託を検討したいけれど、何から始めればいいの?」 「専門家がたくさんいて、誰に依頼すればいいかわからない」
そんなお悩みを抱えていませんか?家族信託(民事信託)は、大切な財産を守り、家族に託すための非常に有効な手段ですが、手続きには専門的な知識が求められます。
この記事では、信託契約の基本的な「作り方の流れ」と、依頼先となる「専門家ごとのメリット・デメリット」をわかりやすく解説します。
家族信託を作成する5つのステップ
信託の作成は、ただ契約書を書けば終わりではありません。一般的には以下のような流れで進みます。
1.家族会議と目的の決定
誰の財産を、誰に託し、どのような目的で管理・活用していくのかを家族間で話し合います。
2.専門家への相談・スキーム設計
ご家族の希望をもとに、専門家が法的に有効で、将来トラブルにならない信託の仕組み(スキーム)を設計します。
3.信託契約書の作成
設計した内容をもとに、具体的な契約書を作成します。
4.公正証書の作成(公証役場)
私文書でも法的には有効ですが、銀行での手続きや将来のトラブル防止のため、公証役場で「公正証書」にするのが一般的です。
5.信託口口座の開設・不動産の登記
金銭を管理するための専用口座(信託口口座)を銀行で開設し、不動産がある場合は「信託登記」を行って財産を移転させます。
どこで対応できる?作成場所(相談先)の比較表
信託の作成をサポートしてくれる主な依頼先には、「司法書士」「弁護士」「信託銀行」があります(※ご自身で作成することも理論上は可能ですが、後述する理由によりおすすめしません)。
それぞれのメリット・デメリットを比較してみましょう。
司法書士
メリット
・不動産の信託登記までワンストップで対応可能
・弁護士や信託銀行に比べて費用が比較的リーズナブル
デメリット
・すでに家族間で激しい対立(紛争)がある場合は介入できない
こんな人におすすめ
・信託財産に実家などの「不動産」が含まれている方
・費用を抑えつつ専門家に任せたい方
弁護士
メリット
・家族間で揉めている場合でも代理人として交渉可能
・将来の法的トラブル(遺留分など)への対応力が高い
デメリット
・他の専門家に比べて費用が高額になりやすい
・不動産登記は別途司法書士への依頼が必要な場合がある
こんな人におすすめ
・家族間で意見の対立があり、調整が必要な方
・複雑な法的問題を抱えている方
信託銀行
メリット
・社会的信用が高く、資金管理の安心感がある
・金融資産の運用や管理をそのまま任せられる
デメリット
・初期費用や継続的な管理手数料が非常に高額
・受託できる財産に厳しい制限(最低金額など)がある
こんな人におすすめ
・数千万円〜億円単位の多額の金融資産がある方
・家族ではなくプロの機関に財産管理を任せたい方
自分で作成
メリット
・専門家への報酬がかからない(実費のみ)
デメリット
・銀行で信託口口座の開設を断られる可能性が極めて高い
・法的な抜け漏れにより、将来契約が無効になるリスク大
こんな人におすすめ
・おすすめしません(手続きが頓挫するケースが大半です)
あなたに最適な相談先の選び方
最もスムーズでコストパフォーマンスが高いのは、「家族信託に詳しい司法書士」への相談です。 家族信託の財産には「実家」や「アパート」などの不動産が含まれることが大半であり、不動産登記の専門家である司法書士であれば、契約書の作成から登記までを一貫して任せることができます。
ただし、「すでに兄弟間で遺産を巡って喧嘩になっている」というような場合は弁護士の領域となります。
また、専門家選びで一番重要なのは「家族信託の実績が豊富かどうか」です。家族信託は比較的新しい制度のため、士業であっても経験が少ない場合があります。ホームページ等で「家族信託専門」や「解決事例」を掲載している事務所を選ぶと安心です。
まとめ:まずは専門家の無料相談を活用しよう
家族信託の作成は、ご自身の老後やご家族の将来を左右する重要な手続きです。「自分たちだけでなんとかしよう」とすると、結果的に銀行で手続きをストップされてしまい、時間を無駄にしてしまうことも少なくありません。
まずは、初回相談を無料で受け付けている専門家(司法書士や弁護士)に、ご家族の状況を話してみることから始めてみませんか?
※免責事項:本記事は家族信託の一般的な仕組みを解説するものであり、個別の法務・税務アドバイスを構成するものではありません。実際の契約にあたっては、必ず個別に専門家へご相談ください。

