こんにちは!中村中小企業診断士事務所の中村です。
毎年7月1日は、国税庁から「路線価」が発表される日です。路線価とは、主要な道路に面した宅地の1平方メートルあたりの評価額のことで、相続税や贈与税を計算する際の基準になります。
今年の発表内容を見ると、多くの人にとって「相続」がさらに身近な問題になってきていることが浮き彫りになりました。「うちは大富豪じゃないから関係ない」と思っている方にこそ、ぜひ知っていただきたい最新トレンドと、今すぐ対策すべき理由を解説します。
路線価は5年連続で上昇!注目は「福岡」の勢い
今回の発表で最も注目すべきは、全国平均の路線価が5年連続で上昇したという点です。景気の回復や再開発の動きを背景に、都市部を中心に地価の上昇トレンドが続いています。
特に目を見張るのが「福岡」の勢いです。 天神ビッグバンや博多コネクティッドといった大規模な再開発プロジェクトが今もなお進行中であり、商業地・住宅地ともに高い上昇率を維持しています。福岡市内に土地や建物を所有している方は、ご自身の資産価値が想像以上に跳ね上がっている可能性が大いにあります。
「相続税がかかる人」が急増中?そのからくり
地価が上がるということは、おのずと「相続税評価額(国が評価する財産の価値)」が上がることを意味します。
ここで注意したいのが、相続税の「基礎控除(非課税枠)」は変わらないという点です。
【相続税の基礎控除額】3,000万円+(600万円×法定相続人の数)
財産の額(評価額)だけが底上げされるため、これまでは「基礎控除の枠内に収まるから大丈夫」だったご家庭でも、「いつの間にか非課税枠をオーバーしてしまい、相続税の課税対象になっていた」というケースが急増しています。
遺産の中で最も多いのは、実は「土地・家屋」
「現金があまりないから相続税は心配ない」というのも、よくある誤解です。 国税庁のデータ(課税された遺産の内訳)を見ると、遺産の中で最も大きな割合を占めているのは、実は「土地・家屋」といった不動産なのです。
不動産は現金のように「きれいに等分」することができません。これが、次の大きな問題を引き起こします。
「うちはもめるほど財産がない」という大いなる誤解
「財産が多い家ほど、遺産相続でもめる」と思っていませんか?現実はまったく逆です。
裁判所の「遺産分割事件」のデータを見ると、実は全体の多くが「遺産総額5,000万円以下」のケースで占められています。
財産が自宅(不動産)しかない
兄弟間で綺麗に分けられない
誰が住むのか、売却するのかで意見が割れる
このように、資産規模がそこまで大きくないご家庭ほど、分けるに分けられず泥沼の争いに発展してしまう傾向があります。
経営者の盲点:資産の大部分を占める「不動産」
このリスクは、会社の「経営者」や「事業主」の方であればさらに跳ね上がります。
経営者の資産構成を分析すると、「事業用不動産(オフィスや工場、店舗の土地)」や「私有不動産(自宅など)」が大部分を占めているケースが非常に多いです。これに自社株が加わると、資産のほとんどが「すぐに現金化できないもの」になってしまいます。
何の対策もしていないと、以下のような最悪のシナリオが考えられます。
先代が亡くなり、事業用不動産の評価額が高騰していて巨額の相続税が発生
後継者に納税資金(キャッシュ)がない
納税のために事業用の土地や建物を切り売りせざるを得なくなり、事業継続が困難に…
まとめ:今こそ「相続・事業承継対策」の一歩を
地価が上昇し続ける今、「相続・事業承継対策」の重要性はかつてないほど高まっています。
まずは現状の資産(特に不動産)の正しい評価額を知ること
納税資金をどう確保するか(生命保険の活用など)
もめないための遺言書や、スムーズな事業承継プランの作成
これらを「元気なうち」に進めておくことが、大切な家族と会社を守る唯一の方法です。「まだ早い」と思わず、まずは一度、専門家に現状を相談してみることから始めてみませんか?
中村中小企業診断士事務所では、相続税対策、経営者様の事業承継対策のご相談を承っております。どうぞお気軽にお問い合わせください。

