皆様は、ご自身の「老後」についてどのようなイメージをお持ちでしょうか?
地域の仲間とスポーツで汗を流したり、気の置けない友人と美味しい食事やお酒を楽しんだり。あるいは、自宅でゆっくりと好きな映画やドラマの配信を観て過ごす穏やかな時間かもしれません。そんな充実したセカンドライフを送るためには、心身の健康はもちろんのこと、「お金の安心」が不可欠です。
今回は、理想の老後を迎えるための考え方や、いざという時にかかる介護施設の費用、そして今からできる資金準備についてお伝えします。
どのような老後を迎えたいか?まずは「ライフプラン」を描く
老後資金の準備を始める前に、まずは「自分がどのような老後を過ごしたいか」を具体的にイメージすることが最も大切です。
生活水準のイメージ
趣味や旅行にどのくらいお金をかけたいか。
働き方の希望
定年後も何らかの形で働き続けるのか、スローライフを楽しむのか。
事業の引き継ぎ
経営者や事業主の方であれば、いつまで現役で最前線に立ち、どのタイミングで次世代へバトンタッチ(事業承継)をするか。
ご自身の軸を持ちながら、いつ・誰と・どんな時間を共有したいのかを描くことで、目標となる金額が自然と見えてきます。
老後施設にはどのくらいの費用がかかるのか?
老後の生活を考える上で避けて通れないのが、介護が必要になった場合の施設費用です。施設の種類によって、必要な費用は大きく異なります。代表的な施設の目安は以下の通りです。
特別養護老人ホーム
・入居時費用の目安:0円
・月額費用の目安:5万円~15万円
・特徴:公的施設で費用が抑えられるが、原則「要介護3」以上が対象。待機者が多い。
介護付き有料老人ホーム
・入居時費用の目安:0円~数千万円
・月額費用の目安:15万円~35万円
・特徴:民間施設。24時間体制の介護サービスが受けられる。入居金や月額費用の幅が広い。
住宅型有料老人ホーム
・入居時費用の目安:0円~数千万円
・月額費用の目安:12万円~30万円
・特徴:介護が必要になった場合は、外部の介護サービスと個別に契約して利用する。
サービス付き高齢者向け住宅
・入居時費用の目安:0円~100万円
・月額費用の目安:10万円~30万円
・特徴:バリアフリー対応の賃貸住宅。安否確認や生活相談サービスが付帯する。
有料老人ホームなどの民間施設を選ぶ場合、初期費用としてまとまった入居一時金が必要になるケースもあるため、公的年金だけでは生活費や施設費用を賄いきれないことがほとんどです。
安心できる老後のために、どのように用意したら良いか?
施設費用の相場を踏まえた上で、老後のお金をどのように準備・対策していくべきか、4つのステップをご紹介します。
現状の把握(年金受給額の確認)
まずは「ねんきん定期便」などで、将来自分が受け取れる年金額を把握しましょう。理想の生活費から年金額を差し引いたものが、毎月不足する金額(=自助努力で補うべき額)です。
資産形成制度の活用
預貯金だけでなく、お金に働いてもらう仕組みづくりが重要です。税制優遇を受けられる「NISA」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」を早い段階から活用し、長期的な視点で資産を育てていきましょう。
民間保険の活用
介護状態になった際のリスクに備え、民間の「介護保険」や「個人年金保険」を検討することも有効な選択肢です。
「争族」を防ぐための財産整理と承継
資産を形成するだけでなく、万が一の際に残された家族が困らないよう準備しておくことも老後対策の一環です。これまでに100件以上の相続や事業承継の現場を見てきた経験から言えるのは、事前の準備不足が家族間のトラブル(争族)に直結しやすいということです。元気なうちから財産を整理し、道筋をつけておくことが最大の安心に繋がります。
まとめ:準備は早ければ早いほど良い
老後資金の準備は、「まだ先のこと」と思わずに、1日でも早く始めることが成功の秘訣です。ご自身の理想の老後像を思い描きながら、まずは現状の家計と将来の年金を確認するところからスタートしてみてはいかがでしょうか。

